2040年問題での空洞化が介護に与える影響

2040年問題は、全人口のうち後期高齢者の占める割合がピークに達することを懸念するもので、特に医療や介護に大きな影響を与えると言われています。
人口が減少するうえ、家族がいない高齢者は老人ホームなどの介護施設に移るため、空き家が急増していくと見られます。
こうして都市の空洞化が進み、街の機能が低下していきます。
近隣の店舗は撤退し、医療機関や介護施設の統廃合が進んで、介護施設に入れない高齢者にとって住みにくい環境になります。

空洞化した都市部の高齢者に施す介護サービスが低下しないようにするには、さまざまな工夫が必要になります。
まず、介護サービスのなかでも訪問介護サービスの充実が求められています。
とはいっても、若年層の人口減少によって訪問介護専門の介護士を確保するのは難しくなります。
そこで必要になるのが、地域社会の協力です。
地域でボランティアや民間企業などとの連携を図り、高齢者の生活を守ることになるでしょう。
なかでも特に、前期高齢者のサポートが欠かせません。

定年退職後、時間的余裕のある前期高齢者が車の送迎や利用者の自宅清掃といった肉体的負担の小さい業務を担当すれば、数少ない介護士の負担を減らせます。
医療と介護の連携も必要になります。
介護士だけでなく医療従事者も不足することから、訪問介護と訪問医療を組み合わせた福祉サービスが提供されるでしょう。
訪問入浴サービスも機械化が進み、少人数のスタッフでも入浴サービスを施せるよう、ハイテクを駆使した工夫が求められます。
これらのほかにも、2040年問題に向けてやるべき対策はいろいろなものがあります。