2025年問題と2040年問題の違いとは

2025年問題とは、1947年から1949年に生まれたおよそ800万人の団塊の世代と呼ばれる人たちが、2025年に後期高齢者となることで生じる可能性のある問題のことです。
医療の面では、医療費の上昇と地方を中心とした医療に携わる人員の不足などによる医療体制への支障が指摘されています。
介護の面では、団塊の世代約800万人が介護の必要度が上がる75歳を迎え、介護保険制度を利用したくても介護人材の不足によってサービスを受けられなくなるといわれています。

社会保障費は医療、介護、年金ともに増加が見込まれています。
国は年金の支給年齢の引き上げやシニア雇用の推進などで対応しようとしていますが、追いついていないのが現状です。
それに対し、2040年問題は1971年から1974年に生まれた団塊ジュニア世代が65歳から70歳を迎え、65歳以上の人口がピークになることで高齢者世代と就業世代の人口が不均衡になって起きる問題のことです。
厚生労働省のデータによれば2018年と2040年の比較で、高齢者が400万人増加するのに対して就業者は900万人減少します。
同じデータでは社会保障費は2018年の約1.6倍になります。

また、高齢者の増加は主に東京圏などの主要な都市部で、自治体の税収の減少が水道や電気、道路などのインフラにも影響し維持が難しくなるともいわれています。
国は社会保障制度の見直しや定年退職年齢の引き上げ、医療や介護サービスの生産性を上げるなどの対策を講じようとしていますが、現役世代の負担が増加することは避けられそうにありません。